20代教員が「辞めたい」と感じる意外な原因とは?
2026/1/29
「教員を辞めたい」
採用試験に合格し、夢見ていた教壇に立ったはずなのに、なぜかそんな言葉が頭をよぎる。20代の若手教員にとって、この気持ちは決して珍しいものではありません。
朝早くから夜遅くまで働いても、終わらない仕事。生徒と向き合う時間よりも、書類作成や雑務に追われる日々。「こんなはずじゃなかった」という思いが、日に日に強くなっていく。
そして、ふと思うのです。「民間企業に行けば、もっと自分のやりたいことができるのではないか」と。
しかし、50年にわたる教育事業の中で数多くのキャリア相談を受けてきた経験から、一つお伝えしたいことがあります。それは、20代で教員を辞めて「後悔した」という声が意外と多いということです。
この記事では、20代教員が「辞めたい」と感じる本当の原因と、辞める前に知っておくべき「民間企業の現実」を民間企業の経験もある50年以上の教育事業を運営する代表が解説します。
- 20代教員が「辞めたい」と感じる本当の原因
- 「生徒に教える時間」より「雑務」が多いという現実
- 理想と現実のギャップがもたらす苦しさ
- 「隣の芝は青い」という罠
- 民間企業への幻想
- 民間企業でも「やりたいこと」は100%できない
- 教員を辞めて後悔した人が語る「見落としていたこと」
- 公務員としての安定の価値
- AIに代替されない「教育」という仕事
- お金=生活の安定であるという現実
- 辞めようと思ったら試してほしい3つのこと
- 今の「辛さ」を具体的に言語化する
- 3年後、5年後の自分をイメージする
- 信頼できる人・プロに相談する
- まとめ - 後悔しない選択をするために
- 一人で悩まないでほしい
- 20代の教員向けキャリアコーチング 「キョウキャリ」とは?
20代教員が「辞めたい」と感じる本当の原因

「生徒に教える時間」より「雑務」が多いという現実
20代の教員が最も感じるギャップは、「生徒に教える時間よりも、準備や雑務に費やす時間の方が圧倒的に多い」ということではないでしょうか。
教員を目指した多くの人は、「生徒の成長を見守りたい」「わかりやすい授業をしたい」という思いを持っていたはずです。しかし、現実は違います。
授業準備、テストの作成・採点、成績処理、学校行事の準備、保護者対応、生徒指導、部活動の顧問、会議、書類作成……。挙げればキリがありません。そして、これらの業務に追われる中で、「自分が本当にやりたかったこと」に時間を使えなくなっていく。
「自分は何のために教員になったんだろう」
そんな疑問が湧いてくるのは、ある意味で当然のことなのです。
理想と現実のギャップがもたらす苦しさ
大学で学んだ教育理論、教育実習で感じた手応え、採用試験に合格した時の喜び――それらが、現場に出た途端に崩れ去る経験をした方も多いでしょう。
「もっと生徒一人ひとりに寄り添いたいのに、時間がない」
「新しい授業方法を試したいのに、従来のやり方を求められる」
「自分のペースで仕事がしたいのに、学校の都合に振り回される」
この「理想と現実のギャップ」は、特に熱意を持って教員になった人ほど、強く感じるものです。熱意があるからこそ、現実とのズレに苦しむのです。
そして、このギャップを感じた時、多くの人は「民間企業なら、もっと自分のやりたいことができるのではないか」と考え始めます。
「隣の芝は青い」という罠

民間企業への幻想
「民間企業に行けば、もっと自由に働ける」
「成果を出せば、正当に評価される」
「自分のアイデアを形にできる」
こうしたイメージを持っている方は少なくないでしょう。SNSやメディアで見かける、自由でクリエイティブな働き方をしている人々の姿。IT企業やスタートアップで働く同世代が、キラキラと輝いて見える。
「自分も教員を辞めれば、ああなれるのではないか」
しかし、これは多くの場合、「隣の芝は青い」という錯覚なのです。
民間企業でも「やりたいこと」は100%できない
これは、実際に教員から民間企業に転職した多くの人が口を揃えて言うことですが、民間企業でも、自分のやりたいことを100%できる人はほとんどいません。
どんな仕事にも、やりたくない業務は存在します。報告書の作成、社内調整、上司への説明、クライアント対応、数字のプレッシャー――。民間企業には民間企業の「雑務」があり、思い通りにいかないことは山ほどあります。
特に、「成果主義」の民間企業では、自分のやりたいことよりも「会社の求める成果」が優先されます。教員のように「自分のクラス」を持ち、ある程度の裁量で授業を進められることは、実はかなり恵まれた環境だったりするのです。
「教員を辞めれば、やりたいことができる」という期待は、多くの場合、裏切られます。そして、「教員の方がまだマシだった」と後悔する人も少なくないのです。
教員を辞めて後悔した人が語る「見落としていたこと」

公務員としての安定の価値
教員を辞めて民間企業に転職した人が、最も後悔することの一つが「公務員としての安定」を失ったことです。
教員は公務員(私立の場合は準ずる待遇)であり、以下のような安定が保証されています:
- 年収は基本的に上がり続ける: 年功序列で、毎年確実に給与が上がる
- 解雇されることがほぼない: よほどのことがない限り、職を失う心配がない
- 福利厚生が充実: 健康保険、年金、休暇制度など
- 社会的信用が高い: ローンや賃貸契約など、社会的な信用度が高い
一方、民間企業では:
- 業績によって年収が下がることもある: ボーナスカット、減給は珍しくない
- リストラのリスクがある: 会社の業績が悪化すれば、職を失う可能性
- 会社が倒産する可能性: 特にスタートアップや中小企業
- 成果を出し続けなければならないプレッシャー: 常に評価にさらされる
20代のうちは、「安定」よりも「挑戦」を重視しがちです。
しかし、30代、40代になり、家庭を持ち、住宅ローンを組み、子どもの教育費がかかるようになった時に、「あの時、教員を辞めなければよかった」と後悔する人は少なくありません。
AIに代替されない「教育」という仕事
もう一つ、見落とされがちな安定の要素があります。それは、教員という仕事がAIに代替されにくいということです。
生成AIの発展により、多くの職種が変化の波にさらされています。事務作業、データ分析、コンテンツ作成、プログラミング――これまで「専門的」とされていた仕事でさえ、AIによって効率化・代替される時代になりました。
しかし、教育は違います。
確かに、教育現場でもAIが活用される場面は増えていくでしょう。個別最適化された学習コンテンツ、採点の自動化、事務作業の効率化など、AIがサポートできる領域は広がっています。
しかし、教員という存在そのものが、AIやロボットに完全に置き換わることはありません。
なぜなら、教育とは単なる知識の伝達ではないからです。生徒の目を見て対話すること、悩みに寄り添うこと、成長を見守ること、人間としての在り方を示すこと――これらは、AIには決してできないことです。
さらに、世界的にも教育への関心は高まり続けています。少子化が進む日本でも、「質の高い教育」への需要は減るどころか増しています。一人ひとりの子どもに、より丁寧に向き合える教育が求められているのです。
つまり、教員は「AIに仕事を奪われる心配がほとんどない、数少ない職業の一つ」なのです。
この事実は、キラキラとした民間企業への転職を考える時、冷静に思い出す価値があります。10年後、20年後も「必要とされる仕事」に就いていることの価値は、計り知れません。
お金=生活の安定であるという現実
「お金より、やりがいが大切」
そう思っている20代の方も多いでしょう。確かに、やりがいは大切です。しかし、お金=生活の安定であり、生活の安定がなければ、やりがいを追求する余裕すら生まれないのです。
民間企業に転職して年収が上がったとしても、業績が悪化すればボーナスがカットされ、最悪の場合は職を失う可能性があります。その不安を抱えながら、毎日を過ごすことになるのです。
教員であれば、そうした不安とは無縁でいられます。毎月決まった給与が振り込まれ、毎年昇給し、退職金も確保されている。この「安心感」は、民間企業に転職して初めてその価値に気づく人が多いのです。
「辞めてから、公務員の安定がどれだけありがたかったか気づいた」
これは、教員を辞めて後悔した人が最もよく口にする言葉です。
辞めようと思ったら試してほしい3つのこと

「辞めたい」という気持ちを持っていても、すぐに辞める決断をする必要はありません。まずは、以下の3つのことを試してみてください。
今の「辛さ」を具体的に言語化する
漠然と「辞めたい」と思っているうちは、正しい判断ができません。今の辛さを、できるだけ具体的に言語化してみましょう。
自問すべき質問:
- 具体的に何が一番辛いのか?
- その辛さは、自分で解決できるものか、環境を変えなければ解決できないものか?
- 「教員という仕事」が嫌なのか、「今の学校・環境」が嫌なのか?
例えば、「人間関係が辛い」のであれば、異動すれば解決するかもしれません。「授業ではなく雑務が多い」のであれば、効率化を図ったり、上司に相談したりする余地があるかもしれません。
辛さの正体を明確にすることで、「辞める」以外の選択肢が見えてくる可能性があります。
3年後、5年後の自分をイメージする
「今」だけを見て決断すると、後悔することが多いです。3年後、5年後の自分を具体的にイメージしてみてください。
教員を続けた場合:
- 慣れてきて、授業に集中できるようになっているかもしれない
- 異動して、働きやすい環境に変わっているかもしれない
- 年収が上がり、生活に余裕が出ているかもしれない
民間企業に転職した場合:
- 新しい環境に慣れるのに苦労しているかもしれない
- 「前の方が良かった」と後悔しているかもしれない
- 業績次第で、不安定な状況に置かれているかもしれない
短期的な辛さだけでなく、長期的な視点で考えることが大切です。
信頼できる人・プロに相談する
一人で悩んでいると、思考が堂々巡りになりがちです。信頼できる同僚、先輩教員、家族、友人など、話を聞いてくれる人に相談してみましょう。
特に、実際に教員から民間企業に転職した人の話を聞くことができれば、理想的です。転職のメリットだけでなく、デメリットや後悔した点についても、リアルな話を聞くことができます。
また、キャリアコーチなど、第三者の専門家に相談することも一つの選択肢です。客観的な視点からのアドバイスが、新しい気づきをもたらしてくれるかもしれません。
まとめ - 後悔しない選択をするために

この記事のポイント:
1. 20代教員が「辞めたい」と感じる大きな原因は、理想と現実のギャップ
2. 「民間企業なら、やりたいことができる」は多くの場合、幻想
3. 公務員としての安定(年収、雇用、福利厚生)の価値を見落とさない
4. 辞める前に、辛さを言語化し、長期的な視点で考える
5. 辞めるなら「逃げ」ではなく「向かう」転職を
「辞めたい」という気持ちは、決して悪いことではありません。それは、自分のキャリアに真剣に向き合っている証拠です。
しかし、勢いで決断して後悔する人も少なくありません。「隣の芝は青い」という言葉を胸に刻み、冷静に自分の状況を見つめ直してみてください。
もしかすると、教員という仕事の中に、あなたがまだ気づいていない価値があるのかもしれません。
一人で悩まないでほしい
「自分一人では判断できない」「客観的な視点からアドバイスが欲しい」――そう感じている方へ。
キャリアについて悩むことは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、自分の人生に真剣に向き合っている証拠です。
キョウキャリのようなキャリアコーチングのような専門家の力を借りることで、自分では気づかなかった強みや、新しい選択肢が見えてくるかもしれません。
20代の教員向けキャリアコーチング 「キョウキャリ」とは?

これらのステップは一人でも実践できますが、第三者との対話を通じて、より深く自己理解を進める方法もあります。
例えば、キョウキャリのような教員向けのコーチングセッションでは、プロのコーチとの対話を通じて、自分では気づかなかった教員である自身強みや可能性を引き出すことができます。一人で取り組むのが難しいと感じたら、専門家のサポートを受けることも一つの選択肢です。
「自分の強みがわからない」「教員を続けたいけれど、将来が不安」
そんな先生方のために生まれたのが、1ヶ月集中型キャリアコーチング「キョウキャリ」です。
キョウキャリの3つの特徴:
1. AI × 50年の教育知見による科学的アプローチ
教育現場での半世紀にわたる経験と最新のAI技術を掛け合わせ、自分では気づきにくい「先生としての真の強み」を客観的に可視化します。
2. 1ヶ月で「方向性」が明確になる
ダラダラと悩むのではなく、1ヶ月という短期間で集中的に自己分析とキャリア設計を行います。「モヤモヤ」を「確信」に変え、具体的なアクションプランまで落とし込みます。
3. 先生が挑戦しやすい価格設定
一般的なキャリアコーチングが高額(20万円〜)で諦めてしまう先生が多いため、キョウキャリは98,000円(税込)という挑戦しやすい価格を実現しました。
「教えることは好きだけど、このままでいいのかな?」と感じたら、まずは無料コーチング体験で、あなたの思考と言葉を整理してみませんか?
「20代で転職しようか迷っている」――そう感じてこの記事を読んでくださったあなたは、すでに大きな一歩を踏み出しています。自分の現状を認識し、変わりたいと思っている――それこそが、成長の始まりです。
完璧である必要はありません。まずは一つ、今日からできる小さなステップを始めてみてください。あなたの一歩が、明日の自信をつくります。
